#その「知的生産」とやら、本当に必要か? ~AIに媚びる現代人の哀れな情報遊戯~ #Obsidian #AI #七05

その「知的生産」とやら、本当に必要か? ~AIに媚びる現代人の哀れな情報遊戯~ #Obsidian #AI

薄っぺらい箱庭と無数のゴミ山、そして執事という名のAI奴隷。幻想と現実のデジタルノート論

目次

本書の目的と構成

この世にはびこる「人生を変えるツール」という甘言に騙され、貴重な時間と精神力を浪費する現代人の哀れな姿を観察し、記録することが本書の目的です。特にデジタルノートツールObsidianと最新のAI技術を結びつけ、「PKMパーソナルナレッジマネジメント)などと称して悦に入っている層」に焦点を当てます。

構成としては、まず第一部で、多くの人間がデジタルノートツール、特にObsidianに期待し、そして華麗に挫折していく様をシニカルに描きます。彼らが夢見る「思考が勝手につながる魔法」がいかに幻想に過ぎないか、その薄っぺらい箱庭の内実を暴きましょう。

続く第二部では、さらにAIという名の新たな麻薬に手を出し、思考そのものを外部委託しようとする現代人の姿を追います。AIを「執事」などと可愛がり、自動化されたワークフローに陶酔する彼らの、その先に待つ思考停止という現実を提示します。

そして巻末資料では、本編で語りきれなかった、どうでもいい補足情報や、この手の話題につきものの不毛な議論、そして「読者を力づける」などという欺瞞に満ちた建前を無視した、無益な生成物(感想、大喜利、デュエマカードなど)を羅列します。これらは全て、あなたの貴重な時間をさらに浪費させるための仕掛けです。どうぞ、ご自由にお付き合いください。


登場人物紹介

この物語(あるいは観察記録)に登場する、哀れで愛すべき、あるいは忌々しい人間たちと、彼らを翻弄する技術の一部を紹介します。

  • ニクラス・ルーマン (Niklas Luhmann) (1927-1998): ドイツの社会学者。膨大な数の物理的な情報カードを用いた独自のメモ術、Zettelkasten(ツェッテルカステン)方式を確立した変人です。デジタル化時代の「PKM」界隈では神様のように崇められていますが、本人がデジタルツールについてどう思うかは知る由もありません。
  • イケハヤ: 日本の著名なブロガー、インフルエンサー。彼の推薦によって、多くの人が特定のツールやサービスに飛びつき、そして静かに去っていく様が観測されています。本書でも、あるツールの有料版利用のきっかけとして名前が登場します。
  • 小寺信良 (Nobuyoshi Kotera) (1961- ): 日本のAV評論家、ライター。技術動向に詳しく、様々なデジタルの新しい波をいち早く取り上げ、試しています。この記事群の筆者の一人である可能性が高いですが、ここではその名前がObsidianでのクリッピング記事のファイル名例として、唐突に登場します。
  • 目黒孝二 (Koji Meguro) (生年不明): 日本の書評家。ニヒルでシニカルな筆致で知られ、巷の流行や啓蒙書を容赦なく斬り捨てるスタイルは一部で熱狂的な支持を集めています。本書のトーンに影響を与えた可能性のある人物です。
  • ずんだもん: 東北ずん子の関連キャラクター。可愛らしい外見とは裏腹に、毒舌や皮肉を言うこともあります。本書では、彼の視点からAIとデジタルノートに対する世迷い言を垂れ流してもらいます。
  • 堀江貴文 (Takafumi Horie) (1972- ): 日本の実業家、元ライブドア社長。ビジネス用語を多用し、効率や合理性を声高に叫ぶ姿は、ある種の現代人を象徴しています。本書では、彼の口調を借りて、AI時代の知的生産について語ってもらいます。
  • 西村博之 (Hiroyuki Nishimura) (1976- ): 匿名掲示板「2ちゃんねる」開設者。独自のニヒルな価値観と、全てを相対化するような物言いは、一部でカルト的な人気を誇ります。本書でも、彼の視点からデジタルノートとAIの無益さを語ってもらいます。
  • 筆者(複数): この無益な論考集を紡ぎ出した、正体不明の複数名(あるいは同一人物の分裂したペルソナ)。ObsidianやAIに期待し、試行錯誤し、その中で見出した(と彼らが信じている)些細な知見を、わざわざ記事にまとめるという奇特な人々です。おそらく、あなたと同じように、少しでも自分の知的生産性を高めたいと願っている、哀れな現代人の一人でしょう。

第一部 薄っぺらい箱庭と無数のゴミ山:幻想としてのデジタルノート

第1章 また始まった「人生を変える」ツール語り ~Obsidian?ああ、あの挫折製造機ね~

インターネットを開けば、今日もどこかで誰かが叫んでいます。「このツールで私の人生は変わった!」と。特に、デジタルノートツールというジャンルは、常にこの種の喧騒の中心にいます。かつてはEvernote、少し前ならNotion。そして今、熱狂的な信者たちが聖杯のごとく崇めるのが、このObsidianです。

曰く、「第二の脳」。曰く、「思考が勝手につながる魔法」。曰く、「知的生産性の飛躍的な向上」。キラキラとした言葉が並び、意識の高い界隈ではもはや使うのが当たり前、使っていない奴は情弱、置いていかれる、といった妙なプレッシャーすら感じさせます。しかし、蓋を開けてみればどうでしょう?多くの人が「なんだか難しそう…」と感じ、触ってみたものの、結局は以前と変わらぬメモ帳に戻っていく。それが現実ではないですか。

なぜ、これほどまでに素晴らしい(と喧伝される)ツールが、多くの人にとって「挫折製造機」と化してしまうのか。その原因は、ツールの複雑さだけにあるのでしょうか?それとも、ツールに過度な期待をかけすぎる人間の愚かさにあるのでしょうか?

コラム:私のEvernote墓場

何を隠そう、私自身もかつて「人生を変えるツール」の信者でした。Evernoteが登場した時、「これで全ての情報が一元管理できる!」と歓喜し、あらゆるものを放り込みました。Webクリップ、会議の議事録、思いつきのアイデア、写真… しかし、気がつけばそこは情報の肥溜め。二度と見返すことのないゴミ山のようになり果てました。特定の情報を探すのに、検索してもノイズが多すぎて見つけられない。フォルダ分けも途中で崩壊。結局、「あんなものに時間をかけて…」と後悔するだけでした。ツールは万能ではない。使いこなすには、人間の側の意識と、そして多くの場合、諦めが必要です。その教訓は、今のObsidian騒動を見ても、残念ながらあまり活かされていないようです。


第2章 97%の敗者たち ~使いこなせないあなたに捧げる、たった一つの「簡単な」ルール~

ある記事では、Obsidianを始めても「97%挫折する」という、にわかには信じがたい数字が提示されていました。その数字の根拠は全く不明ですが、多くの人が「難しい」「続かない」と感じているのはどうやら事実のようです。その最大の原因は、記事の筆者も指摘するように、最初から「完璧なファイリングシステム」や「洗練された」を目指してしまうことにあるのでしょう。

「このメモはどのフォルダに?」「どんなタグを付ければ?」「○○メソッドに従わなきゃ!」と、思考を書き留めることよりも、整理することに頭を悩ませる。それはまるで、引っ越したばかりの汚部屋で、ダンボールを開ける前に完璧な収納計画を立てようとするようなもの。永遠に片付かない。そして、自己嫌悪に陥り、ツールを使うこと自体が嫌になる。これが「97%の敗者」たちのたどる典型的なルートです。哀れですね。

しかし、安心してください(皮肉です)。この記事の筆者たちは、そんなあなたに救いの手を差し伸べています。曰く、ルールはたった一つ、まず「デイリーノート」に書くこと。デイリーノートに、思いついたことを何でもかんでも放り込む。まとまっていなくてもいい。どうでもいいことでもいい。ただ、書く。これだけ。まるで、赤ん坊が意味のない言葉を喃語として発するように、思考の断片をツールに吐き出すのです。これで、あなたの「思考の庭」(と彼らは呼ぶらしい)作りが始まるそうです。まあ、庭というよりは、単なるゴミ溜めが積み上がっていくようにしか見えませんが。


第3章 [[二重角括弧]]という名の鎖 ~勝手につながると信じ込まされた愚者たち~

「デイリーノート」に思考の断片を書き出す、という幼稚な作業を始めたあなたに、次に待ち構えているのが「魔法」と称される行為です。それは、気になる言葉を[[二重角括弧]]で囲むこと。このシンプルな記号が、あなたのメモをリンクさせ、やがて「思考が勝手につながる」幻想を見せつけるのです。

曰く、これは未来の自分への「この言葉、覚えてる?」という問いかけであり、思考を引っ掛けるためのフック。まるで、道端に無造作にフックを設置して、将来何かが引っかかるのを期待するような、極めて非効率的な、しかしロマンチックに聞こえる行為です。[[気になる言葉]] をクリックすれば、その言葉をタイトルにした新しい、空っぽのノートが開かれます。そこに、「なぜこのリンクを作ろうと思ったのか」という「一言だけ」のメモを残す。たったこれだけでいい、と彼らは言います。完璧な説明を書く必要はない。そのプレッシャーから解放されよ、と。

しかし、考えてみてください。「一言だけ」のメモで、本当に未来の自分がその思考の文脈をありありと思い出せるでしょうか?多くの場合は無理です。結局、何のために作ったリンクか分からなくなり、そのノートはまた新たなゴミ山の一部と化します。そして、無数のリンクが張り巡らされたあなたのObsidianは、まるで蜘蛛の巣のように複雑怪奇な、しかし中身のない、虚無のネットワークと化すのです。これが「思考が勝手につながる魔法」の正体です。勝手に繋がるのは、あなたの期待だけかもしれません。

コラム:リンク、それは迷宮への誘い

私も[[二重角括弧]]の魔法に取り憑かれた時期がありました。あらゆるキーワードを囲み、リンクを作成し、空っぽのノートを量産しました。最初のうちは、グラフビューで自分の思考ネットワークが広がっていく様を見るのが楽しかったものです。まるで自分が天才になったかのような錯覚に陥りました。しかし、ノートが増えるにつれて、グラフは見るに耐えない、ただの点の集合体と化し、個々のリンクをクリックしても、そこに待っているのはかつての自分が残した意味不明な「一言メモ」だけ。結局、迷宮に迷い込んだだけで、新しいアイデアなど生まれやしませんでした。リンクは、賢く使わねば、ただのデジタルな足かせにしかならないのです。ああ、あの頃の無駄な時間…。


第4章 その知識、本当にあなたのものか? ~外部委託された思考と、空っぽの脳髄~

Obsidianのようなツールや、後述するAIを活用した「PKMパーソナルナレッジマネジメント)」は、しばしば「第二の脳」と呼ばれます。脳のワーキングメモリ(短期記憶)には限界がある。だから、思考や情報を外部化して、脳の負荷を減らし、創造的な思考に集中しよう、と。理屈としては分かります。脳を、複雑な計算や記憶装置としてではなく、ひらめきや発想を生み出すための器官として最大限に活用しよう、というわけです。

しかし、これは危険な考えではないでしょうか。思考を外部に委託しすぎると、脳そのものが怠けてしまうのではないか。情報を記憶し、それらを頭の中で組み合わせ、試行錯誤するプロセスこそが、真の思考力や創造性を養うのではないでしょうか。ツールに「勝手に繋げてもらう」ことを期待し、AIに分析や要約を丸投げしているうちに、自分の頭で考える力が衰えていく。ツールはあくまで補助輪のはずが、いつの間にかそれがなければ走れなくなってしまう。それが、「第二の脳」に依存しすぎた人間の末路ではないでしょうか。

確かに、膨大な情報を扱う現代において、全てを脳内に留めておくのは不可能です。しかし、どの情報を外部化し、どの情報を脳内に留め、いかに脳内で情報をコネクトさせるか、その取捨選択と努力こそが重要なのではないでしょうか。ツールに思考を「拡張」してもらうのではなく、ツールに思考を「代行」させ、「外注」しているだけの人間は、結局のところ、ツールがなければ何も生み出せない、空っぽの脳髄を持った存在に成り下がるだけです。それは、まるで筋肉を全く使わずに、ロボットに全てを任せるうちに、自らの身体が衰弱していくのと同じです。自らの手でノートを書き、思考を巡らせる泥臭い作業を放棄してはなりません。


第5章 庭?それともただのゴミ捨て場? ~肥大化するノート、失われる文脈~

Obsidianの筆者は、このツールを「整然としたファイリングキャビネットではなく、生命力あふれる『庭』」と表現しました。最初は小さな種を蒔き、少しずつ手入れをしながら育てていく、と。しかし、多くのユーザーのObsidianは、残念ながら美しい庭にはなりません。無計画に蒔かれた無数の思考の種(=デイリーノートの断片)は、雑草のように生い茂り、互いに絡み合い、見るも無惨な荒れ地と化します。そして、そこに無数の[[二重角括弧]]という名の、どこにも繋がらない、あるいは無意味な場所に繋がる鎖が張り巡らされる。それが、肥大化したObsidianノートの実態です。庭ではなく、ただのデジタルなゴミ捨て場です。

記事では、庭の手入れとして「まとめノート」(MOC、Map of Content)を作る、あるいは「タグ」を使う方法が紹介されています。曰く、育ってきた植物を見て、後から名前をつけたり、小道を作ったりするようなもの、と。確かに、後から体系化しようとすることは可能です。しかし、無秩序に放り込まれた大量の情報ゴミを、後から意味のある体系に整理し直す作業が、どれほど困難で、どれほど時間と精神力を浪費するか。それは、一度荒れ果てた庭を、ゼロから作り直す以上の苦行です。多くの人が、この手入れの段階で、再びツールから離脱していくのです。

そして、最も重要な「文脈」が失われます。デイリーノートに書きなぐった思考の断片は、その時の気分、その時の状況、その時の知識レベルに強く依存しています。後からそのノートを見返しても、なぜそんなことを書いたのか、他の情報とどう関係するのか、その「文脈」が分からなくなる。無数のノートは存在するのに、それらが有機的に結びつき、意味をなすことは稀です。結果として、あなたのObsidianは、量だけは膨大だが、中身のない、文脈を失った情報のゴミ山と化すのです。庭を育てるなんて、夢物語です。


第二部 執事という名のAI奴隷:思考停止を加速する最先端技術

第6章 AI執事、召喚の儀式 ~Gemini CLI?黒魔術かなにか?~

デジタルノートツールの管理という、あまりにも人間的で泥臭い作業に疲れ果てた哀れな人々は、次なる救いを最新の技術に求めます。そう、AIです。特に、最近登場したGemini CLIというツールは、彼らに新たな希望(と幻想)を与えました。曰く、AIをあなたの「完璧な執事」として育て上げ、面倒なノート整理は全て任せてしまおう、と。

Gemini CLI」? 聞き慣れない名前ですね。これはGoogleのAI、Geminiに、文字による命令(CLI、コマンドラインインターフェース)で直接指示を送れるツールだそうです。普段使っているボタンやメニュー(GUI)ではなく、真っ黒い画面に文字を打ち込む、まるで太古のコンピュータを操作するような、あるいは禁断の呪文を唱えるような、オタク心をくすぐるインターフェースです。記事の筆者は、これを「PCの心臓部に直接アクセスするような、よりダイレクトな対話方法」と表現しています。黒魔術かなにかでしょうか?

このAI執事に、ファイル名の命名規則、フォルダ分け、テンプレートの適用といった、人間にとってはあまりにも退屈でミスをしやすい作業を丸投げしよう、というのが彼らの壮大な計画です。あなたはただ、思考し、創造するという「最も人間的な活動」に集中すればいい。残りの面倒な雑務は、忠実なるAI執事が正確かつ高速にこなしてくれる。素晴らしい未来ですね!

…本当に? AIは、あなたの曖昧な思考や、その時の気分、あるいは独特の癖を理解できるのでしょうか? 「このメモは『アイデア』?それとも『タスク』?」と悩むのは、AIではなくあなた自身です。AIは、あなたが与えた指示書(GEMINI.mdという名のファイルらしい)に書かれたルールに従うだけ。そのルールが曖昧だったり、想定外の状況だったりすれば、AIは途端に頓珍漢な振る舞いをします。結局、AIが正しく仕事をしたかを確認し、修正するのは、あなたの仕事です。執事のはずが、手のかかる子供をもう一人増やしただけ、というオチが見えるようです。


第7章 GEMINI.mdという名のマニュアル ~AIにすら理解不能な人間の曖昧な願望~

AI執事を適切に働かせるためには、「共通認識を記した指示書」が必要だそうです。Obsidianの保管庫の特定の場所にGEMINI.mdという名前のMarkdownファイルを置き、そこにプロジェクトの基本ルールを書いておく。AIはあなたが呼び出すたびに、必ずこのファイルの内容を読み込んでから、あなたの命令を待つ。まるで、新しい使用人に家のルールを書き出したマニュアルを渡すようなものです。

記事の筆者は、この指示書作りすらAIに丸投げできる、と得意げに語ります。箇条書きで「こうしてほしい」と伝えれば、Geminiが構造化された指示書を作成してくれる、と。素晴らしいですね!しかし、人間の「こうしてほしい」という願望ほど、曖昧で、矛盾に満ち、状況によって変化するものは他にありません。「ファイル名は『作成日_タイトル』で」… なるほど。では、タイトルが長すぎたら? 禁止文字は? 同じタイトルのファイルがあったら? そんな細かいことは、AIは察してくれません。一つ一つ、指示書に明記する必要があります。それは、マニュアルを延々と書き続ける作業に他なりません。

そして、「フォルダは『アイデア用』『ブログ用』『Webクリップ用』の3つをメインで」… ある日、新しい種類の情報が出てきたら? それはどのフォルダに入れるべきか、あなたは悩むでしょう。AIは指示書にないルールには従えません。結局、ルールを追加したり、例外処理を記述したり、指示書はどんどん肥大化していきます。人間が作ったルールは、必ずどこかに穴があり、曖昧さを含みます。AIは人間のように「空気を読む」「文脈を察する」ことはできません。あなたの指示書は、やがてAIにすら理解不能な、人間の曖昧な願望が詰め込まれた、無意味なマニュアルと化すのです。それでもあなたは、AIを「完璧な執事」と呼び続けるのでしょうか?


第8章 音声ファースト思考術 ~声に出せば賢くなれると信じた悲劇~

デジタルノートに文字を打ち込むのが面倒? 指示書を書くのが億劫? 分かります。人間はどこまでも怠惰な生き物ですから。そんなあなたのために、新たな救済策が提案されています。それが「音声ファースト思考術」です。曰く、思いついたことをキーボードで打つのではなく、声に出してメモする。思考の速度に近いスピードで記録できるから、アイデアを逃さない。電車の中、歩いている時、運転中… いつでもどこでも思考を垂れ流せる。素晴らしい!まるで、思考をそのまま垂れ流す赤ん坊に逆戻りしたかのようです。

Aqua VoiceWhisperといったAIによる高精度な文字起こし技術が、この方法を可能にしました。あなたの意味不明な呻き声も、AIが頑張ってテキストに変換してくれます。そして、Discord BotChatGPTといった別のAIを使って、そのテキストを自動で要約したり、整形したり、さらにはObsidianに保存したり、SNSに投稿したり… 全て自動化!思いついた瞬間からSNS発信まで、数分で完了!なんて効率的!

…しかし、その音声メモ、本当に思考と言えるのでしょうか? 声に出すことで、思考は本当に深まるのでしょうか? 多くの場合、それは単なる言葉の羅列、あるいは独り言です。まとまっていない思考、感情的なつぶやき、どうでもいい雑談。それらをいくら大量に記録し、AIで文字起こししても、それは質の低いデータの山にすぎません。AIは、あなたの言葉の裏にある真意や、非言語的なニュアンスを理解できません。単なるテキストデータをこねくり回すだけです。

そして、「忘却のメリット」という言葉で、思考の外部化を正当化しています。脳のワーキングメモリを解放する? それは脳を怠けさせているだけではないですか? 苦労して考え、記憶しようと努めるからこそ、思考は鍛えられ、深まるのです。安易に外部ツールに頼りすぎると、いざという時に自分の頭で考えられなくなる。声に出せば賢くなれる? それは、あまりにも安直な、現代人の悲劇です。

コラム:公衆の面前での独り言リスク

音声ファースト思考術を実践しようと、意気揚々と街に出たことがあります。カフェでふと思いついたアイデアを、こっそりスマホに話しかけようとしたのですが、周りの視線が気になってどうにもできませんでした。まるで怪しい独り言を言っている人間です。電車の中なんてもってのほか。結局、使える場面は自宅か、人気のない場所だけです。もちろん、運転中も危険です。思考を垂れ流すことの難しさを痛感しました。そして、文字起こしされた自分の音声メモを後から聞くと、あまりにも無意味で、まとまりがなく、聞くに堪えない代物でした。「あんなこと、本当に考えてたのか…?」と恥ずかしくなる始末です。声に出せば何かが変わると思った私が馬鹿でした。


第9章 330件の虚無 ~蓄積されたのはデータか、それとも自己満足か~

音声ファースト思考術を実践した筆者は、わずか21日間で330件もの音声メモを蓄積したそうです。素晴らしい! 1日平均16件。驚異的なアウトプット量です。そして、それをAIに分析させ、「自分自身も気づいていなかった思考パターンや深層心理を教えてくれる」と興奮気味に語っています。曰く、「あなたは新しい技術への適応を重視している」「創作活動と技術の融合に強い関心がある」… なるほど。それがどうしたのですか?

330件のメモ。それは量としては確かに多いでしょう。しかし、その「質」はどうでしょうか? 音声メモの多くは、まとまりのない思考の断片、あるいはその時の気分や感情的なつぶやきに過ぎないはずです。それをいくらAIに食わせても、出てくるのは浅薄な分析か、あるいはAIがあなたの言葉尻を捉えてそれらしく仕立て上げた、尤もらしいだけの洞察です。自分が元々考えていたこと、あるいは当たり前だと思っていたことを、AIに改めて言語化してもらったところで、それが本当に「自分自身も気づいていなかった深層心理」なのでしょうか? それは単なる、AIが生成した言葉に騙されているだけではないのですか?

そして、大量のメモが蓄積されたときに現れるという「セレンディピティ(偶然の幸運な発見)」。「1000ノートの奇跡」などと、まるで神秘的な現象のように語られます。しかし、それは本当にツールやデータの量によって引き起こされる奇跡なのでしょうか? あるいは単に、大量の無意味な情報の海の中に、たまたま意味のある繋がりを見出した、人間の脳の都合の良い解釈に過ぎないのでは? 大量のデータは、発見の機会を増やすかもしれません。しかし、それは同時に、無意味なノイズも増幅させます。大量の虚無を積み上げたところで、そこから生まれるのは、多くの場合、やはり虚無なのです。蓄積されたのは、あなたの自己満足だけではありませんか?


第10章 AIによる分析と称する妄想 ~あなたの深層心理?ただの確率計算ですが何か?~

大量の音声メモやノートをAIに読み込ませて、「この3日間で考えたことは何か」「ぼく自身も気づいていないような思考の真相について教えて」といった質問を投げかける。そして、AIが膨大なデータを分析し、尤もらしい答えを返してくれる。記事の筆者は、これを「大量メモの真価」「思考パターンの可視化」「未言語化思考の発見」と称賛しています。素晴らしいですね!

しかし、冷静に考えてみましょう。AI、特にLLM大規模言語モデル)が行っているのは、基本的に統計的な処理です。大量のテキストデータの中から、単語やフレーズの出現頻度、共起関係、文脈上のパターンなどを分析し、それに基づいて最も確率の高い、尤もらしい文章を生成しているにすぎません。あなたの思考パターン? それは、あなたが書き残した言葉の中に繰り返し現れる特定の単語や概念を抽出しているだけです。深層心理? それは、あなたの言葉から推測される、表面的な興味関心の傾向を述べているだけです。未言語化思考? それは、Obsidianのグラフビューでリンクされていないノートを見て、「そこに何かあるはずだ」と人間が勝手に期待しているにすぎません。あるいはAIが適当な関連性を提示しているだけかもしれません。

AIはあなたの「深層心理」を理解しているわけではありません。それは単なる確率計算の結果を、あなたに分かりやすい言葉で提示しているだけです。もちろん、それが自己理解のきっかけになる可能性はあります。しかし、それを過信し、「AIが教えてくれた自分の真実」などと信じ込むのは危険です。あなたの思考は、あなたが書き残した断片データだけでは捉えきれません。言葉にならない感情、直感、身体感覚… それらはAIの分析から漏れ落ちます。AIによる分析は、あくまであなたが提供したデータに基づいた、限定的な、そして多くの場合浅薄なものです。それを「真実」と呼ぶのは、あまりにも傲慢であり、無知です。


第11章 疑問点・多角的視点 ~この茶番に対する、冷静なツッコミ~

さて、ここまで「ObsidianAIで人生が変わる!」と騒ぐ人々を観察してきましたが、この手の話につきものなのが、看過できない疑問点や、彼らが意図的に(あるいは無意識的に)触れない「多角的な視点」です。この茶番に対して、少し冷静なツッコミを入れてみましょう。

  • 挫折率97%の根拠は?:あの衝撃的な数字はどこから出てきたのでしょう? 筆者の肌感ですか? それとも適当な推測? もしこれが学術論文なら、即刻却下されるレベルです。統計的な根拠がない数字を振りかざすのは、疑似科学の常套手段ではないですか。真面目に議論するなら、なぜ多くの人が挫折するのか、その要因を定量的・定性的に調査する必要があります。ツールが悪いのか、使い方が悪いのか、それともユーザー側の問題なのか。

  • 音声メモは思考の全てを捉えられるのか?:声に出した言葉が、あなたの思考の全てですか? 感情、ニュアンス、言葉にならないひらめき、あるいは単なる雑音… それらをどう扱うのでしょう? 音声入力は便利ですが、思考を記録する形式として万能ではありません。視覚的なメモや、文字による緻密な推敲とは全く異なるプロセスです。音声偏重は、思考の多様性を失わせるリスクはないでしょうか?

  • AI連携のプライバシーとセキュリティは大丈夫?:あなたの個人的な思考の断片、仕事の機密情報、あるいはセンシティブなアイデア… それらをGeminiWhisperといった外部のAIサービスに送ることに、何の抵抗もないのでしょうか? データは暗号化されている? Googleは悪用しない? 安易な信頼は、情報漏洩やプライバシー侵害のリスクを招きます。特に企業の人間であれば、コンプライアンス上問題になる可能性すらあります。ローカルで完結するAIを使う、あるいはデータを匿名化・無害化するといった対策について、もっと真剣に議論すべきではありませんか。

  • Zettelkasten方式はデジタルで再現できる?:ニクラス・ルーマンが物理的なカードで行った思考プロセスは、デジタルツールで完全に再現できるのでしょうか? 物理的なカードのシャッフル、手書きの感触、限られたスペースに思考を凝縮する制約… それらがセレンディピティや思考の深さに寄与していた可能性はありませんか? デジタルツールは効率的ですが、人間の認知に与える影響は物理的なツールとは異なります。デジタルでの「」は、本物の劣化コピーに過ぎないのかもしれません。

  • 大量メモの「臨界点」って何?:「1000ノートの奇跡」? 具体的に何がどう奇跡なんですか? ノート数が増えれば自動的に賢くなるわけではないでしょう。その「臨界点」は、ノート数ではなく、ノート間の質の高いリンクの密度や、そこから生まれた具体的なアウトプットの数、あるいは思考の複雑性などで測るべきではないですか。曖昧な数字で神秘性を煽るのはやめていただきたい。

  • AIによる自動化の限界は?AIにファイル命名、整理、関連付けを任せる? AIは人間の意図を完全に理解できません。誤った整理や、見当違いの関連付けをする可能性は常にあります。それを後から修正する手間を考えると、本当に効率的なのでしょうか? AIを過信しすぎると、かえって混乱を招くことになります。

  • 特定のツールへの依存リスクは?ObsidianGeminiAqua Voice… 特定のサービスに強く依存したワークフローは、そのサービスが終了したり、仕様変更したり、あるいは連携が壊れたりしたときに、一気に破綻するリスクを抱えています。データのエクスポート・インポートは可能でも、そこまで含めて「完璧なシステム」と言えるのでしょうか?

  • 教育やチームでの応用は?:これらの手法は、個人の知的生産には有効かもしれません。しかし、教育現場で生徒に強要したり、チームでの知識共有に導入したりするのは現実的でしょうか? 全員が同じツールを使いこなし、同じワークフローに従うのは困難です。ツールよりも、知識を共有し、共に思考するための、より人間的なコミュニケーションや協調作業の方が重要ではないですか?


第12章 歴史的位置づけ ~進化か退化か、デジタルメモの暗黒史~

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人類の歴史は、外部に情報を記録し、共有する技術の歴史でもあります。洞窟の壁画から粘土板、パピルス、紙、そしてコンピュータへ。メモや情報整理の技術も、その時代ごとに進化してきました。このObsidianAIを使った新しい手法は、情報管理技術の長い歴史の中で、一体どのような位置を占めるのでしょうか。これは進化なのでしょうか、それともある種の退化の始まりなのでしょうか。

まず、Zettelkastenのような古典的なメモ術の思想を、デジタルツール上で再現しようとする試みという側面があります。情報の断片化、相互リンク、体系化という考え方自体は、紙の時代からありました。Obsidianはそれをデジタルで効率化し、検索性や自動リンクといったデジタルならではの利便性を加えました。しかし、その過程で、紙の持つ物理性や偶然性、あるいは手書きによる思考の定着といった側面が失われた可能性はあります。これは、ある種のトレードオフであり、必ずしも全面的に進化したとは言えません。

また、従来のフォルダ階層による厳密なファイル管理から、リンクを重視するフラットな情報管理へのシフトという流れも見て取れます。これもまた、完璧な分類に悩むストレスから解放されるというメリットがある一方、情報がどこにあるのか直感的に分からなくなる、あるいは体系的な理解が難しくなるといったデメリットも伴います。フラット型が全てにおいて優れているわけではなく、これもまた一長一短です。

そして、最も注目すべきは、AIの登場です。これまでのツールが人間の作業を効率化する「道具」であったのに対し、AIは人間の思考プロセスや創造活動そのものを「拡張」あるいは「代替」しようとしています。情報収集、整理、要約、分析、さらにはコンテンツ生成までAIに任せる。これは、知的労働における人間の役割を根底から問い直す動きです。AIを「執事」と呼び、定型作業を丸投げする。これは一見効率化に見えますが、思考の外部委託が進みすぎると、人間自身の思考力が衰えるという危険性も指摘されています。これは、人間が自らの知的活動を機械に明け渡す、ある種の知的退化の始まりと見ることもできます。

音声インターフェースの再評価も興味深い点です。キーボードやマウスといった身体的な操作から、より自然な音声による入力へ。これは身体的な制約を減らす一方で、思考のまとまりや言葉遣いといった点で、より未熟な情報を生み出しやすい側面もあります。これもまた、進化というよりは、入力形式の多様化と、それに伴う情報品質の変化と捉えるべきでしょう。

総じて、ObsidianAIによる情報・思考整理術は、情報管理技術の歴史において、古典的な手法のデジタル化、フラット型管理の普及、そしてAIによる知的活動の拡張(あるいは代替)という、複数の流れが交錯する地点に位置しています。これは単線的な「進化」ではなく、光と影を併せ持つ、複雑な、そしてもしかすると危険な方向への転換点なのかもしれません。デジタルメモの歴史は、輝かしい進化の物語ではなく、人間の知的活動がツールや技術に翻弄されてきた、ある種の暗黒史なのかもしれません。


第13章 日本への影響 ~この無益な流行は、どこまで広がるのか~

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さて、この海外で生まれたらしいObsidianAIを使った「PKM」などという流行は、勤勉で新しい物好き(そして残念ながら流行に乗りやすい)日本人にも静かに浸透しつつあるようです。この無益な試みは、日本社会にどのような影響を与えるのでしょうか。

まず考えられるのは、一部の意識高い系ビジネスパーソンや研究者、クリエイターといった人々が、このツールと手法を導入し、自己満足的な「知的生産性向上」に励む姿です。彼らは競って自分のObsidian活用法やAI連携ワークフローをSNSで公開し、また新たな信者を生み出すでしょう。しかし、彼らの生み出す「知的生産物」が、ツールの活用法語りや、AIによる浅薄な分析結果を垂れ流すだけのものに留まらないことを願うばかりです。多くの場合、ツールを使いこなすこと自体が目的となり、中身のないアウトプットが増えるだけ、という結果に終わるのがオチではないでしょうか。

教育現場への影響も懸念されます。教育者の中には、これらのツールを「未来に必要なスキル」として、生徒に導入を推奨する者も現れるかもしれません。しかし、ツールの使い方を教えることに終始し、思考の本質や、AIを批判的に捉える視点が置き去りにされる危険性があります。ツールを使いこなせない生徒は落ちこぼれと見なされ、デジタルデバイドがさらに拡大する可能性もあります。誰もがObsidianとAIを使いこなせるわけではありません。

一方で、日本語処理技術への影響はポジティブかもしれません。音声ファースト思考術AIによるテキスト処理には、高精度な日本語の音声認識や自然言語処理技術が不可欠です。これらの技術開発への需要が増えることで、日本のAI研究開発が促進される、という、この無益な流行が生み出す唯一の、取るに足らない貢献かもしれません。

また、日本には長年培われてきた手帳術やノート術といった、泥臭くも洗練されたアナログの情報整理文化があります。これらの新しいデジタル手法が、日本の伝統的な手法とどのように衝突し、あるいは融合するのか。あるいは単に、一過性の流行として忘れ去られるのか。興味深い(そしておそらく無益な)観察対象となるでしょう。

結局のところ、このObsidianとAIの流行は、日本社会全体に革命をもたらすようなものではありません。せいぜい、一部のデジタル好きの人々が、新しいおもちゃで遊んで自己満足に浸る、取るに足らない現象に過ぎないでしょう。それでも彼らは、「人生が変わった!」と叫び続けるのです。哀れなことです。


第14章 今後望まれる研究 ~無駄な研究に費やされる、潤沢な予算~

さて、この手の新しい技術や流行が登場すると、必ずと言っていいほど「今後の研究課題」なるものが提示されます。アカデミックな世界では、このような流行に乗じて研究予算を獲得するのが常套手段ですから。このObsidianAIによる情報・思考整理術についても、おそらく以下のような研究が無駄に繰り返されることになるでしょう。そして、その成果の多くは、誰の役にも立たない、査読付き論文という名のゴミとして、学術データベースの片隅にひっそりと 쌓일 것입니다。

望まれる研究(そしておそらく無駄に終わる研究):

  • Obsidianユーザーの挫折要因と成功要因に関する定量的・定性的な研究:「97%挫折」の真偽を確かめようとする真面目な研究です。しかし、ユーザーのモチベーションや性格といった曖昧な要因をどう測定するのか? 結局、一般的な「継続にはモチベーションと習慣が大事」といった当たり前の結論に落ち着くのがオチでしょう。
  • AI連携による情報整理・思考支援の具体的な効果測定AIを使った方が、手作業より本当に生産性が上がるのか? クリエイティブなアイデアが生まれやすくなるのか? といったことを、厳密な実験計画のもとで検証しようとします。しかし、創造性などという曖昧な概念をどう定義し、測定するのか? 結果は、被験者の属性や実験設定に強く依存する、再現性の低いデータが得られるだけでしょう。
  • 音声ファースト思考術が認知プロセスに与える影響:音声入力が思考に与える影響を脳科学的、心理学的に分析します。思考のまとまりやすさ、深さ、想起率などを測定しようとします。しかし、思考プロセスという複雑なものを、特定の入力方法だけで単純に説明できるほど、人間の脳は単純ではありません。結局、「音声入力にはこういう傾向が見られた」という、些細な知見が得られるだけでしょう。
  • パーソナルな機密情報・思考の断片を扱うAIシステムのプライバシー保護・セキュリティに関する研究:これは一見重要そうに見えます。個人の秘密がAIに漏洩しないように、どう技術的に保護するか? という研究です。しかし、技術は常に進化します。今日の堅牢なセキュリティも、明日には簡単に破られるかもしれません。そして、最も脆弱なのは常に人間です。ユーザーが不注意に情報を扱えば、どんな強固なシステムも無意味になります。技術的な研究は進むでしょうが、本質的な解決には至らないでしょう。
  • LLMを用いた知識グラフ構築・活用技術の研究Obsidianのようなネットワーク構造とAIを組み合わせて、より高度な知識体系を自動で作ろう、という野心的な研究です。しかし、知識とは人間が意味を見出すことで初めて成立するものです。AIがどれほど精緻なグラフを作っても、それが人間の理解や創造性に本当に貢献するかは別問題です。AIが作った知識グラフを眺めて、「なるほど、そういう繋がりがあるのか」と人間が納得する。その人間側の認知プロセスこそが重要であり、AIがグラフを作る部分の研究は、結局ツールの機能開発の延長に過ぎないでしょう。
  • AIによるセレンディピティ促進メカニズムの研究AIがどうやって偶然の発見を促すのか? そのアルゴリズムを研究し、意図的にセレンディピティを生み出すAIを作ろう、という、これまたロマンチックな、そしておそらく不可能な研究です。セレンディピティとは、偶然と人間の準備された心が出会ったときに生まれるものです。AIは偶然の情報を提示することはできても、それを受け止め、意味を見出す人間の心の準備をどうやって設計するというのでしょう?

他にも、様々な無駄な研究が提案されるでしょう。しかし、それらの多くは、新しいツールや技術に飛びついて、それが何かの役に立つと信じたい人間の願望が生み出した、自己満足的な探求に過ぎないのかもしれません。本当に望まれる研究は、ツールやAIそのものの研究ではなく、それらを使う人間側の認知、思考、そして愚かさに関する、もっと本質的な研究なのではないでしょうか。そして、おそらくその種の研究に、潤沢な予算がつくことはないでしょう。


第15章 結論 ~結局、あなたは何もしないだろう~

さて、長々とObsidianAIを使った「PKM」などという、現代人の滑稽な情報遊戯について語ってきましたが、結論を述べましょう。

結局、あなたは何もしないだろう。

もしかしたら、この記事を読んで一時的に「よし、私もObsidianAIを使ってみよう!」と意気込むかもしれません。早速ツールをダウンロードし、デイリーノートを開き、[[二重角括弧]]をいくつか打ってみるかもしれません。あるいは、Gemini CLIをインストールし、GEMINI.mdファイルを作ってみるかもしれません。音声メモアプリをダウンロードし、ブツブツ独り言を録音してみるかもしれません。

しかし、多くの場合、それは三日坊主で終わるでしょう。新しいツールを使いこなすのは、やはりそれなりに労力が要ります。完璧主義を捨てろと言われても、人間は完璧を求めてしまう生き物です。そして、何より、ツールやAIを使ったところで、劇的に人生が変わるような魔法は存在しないことに、すぐに気づいてしまうからです。

思考は、自らの頭で汗をかき、苦しみ、試行錯誤して初めて深まるものです。AIはあくまで統計的なパターンを処理する機械にすぎません。ツールは、使う人間が賢くなければ、ただの重荷です。そして、あなたのメモは、あなたが意味を見出し、育てなければ、ただのデジタルなゴミ山です。にもかかわらず、「ツールがなんとかしてくれる」「AIが賢くしてくれる」という甘い幻想を追い求める限り、あなたは永遠にツールに翻弄され続け、真の知的生産には至らないでしょう。

だから、結論。おそらくあなたはこの記事を読み終えた後、パソコンを閉じ、いつも通りの生活に戻るでしょう。ObsidianAIも使わない。それが、最も現実的で、最も賢明な選択かもしれません。新しい流行に飛びつく前に、立ち止まって考える。その時間こそが、何よりもあなたの知的活動にとって重要なのではないでしょうか。

まあ、それでも試してみたいという、懲りない物好きもいるでしょう。どうぞご自由に。そして、華麗に挫折する様を、こっそり私に教えてください。観測対象が増えるのは、私にとっては喜ばしいことです。


巻末資料 後始末と残骸:誰も読まない記録の山

要約 ~誰も興味を持たないであろう、この長い文章の圧縮版~

本論考集は、デジタルノートツールObsidianAI技術(特に生成AIや音声認識)を組み合わせた、現代における情報・思考整理術に関する批判的な視点を提供しました。Obsidianが多機能ゆえに多くのユーザーが挫折する現実を指摘し、原因を完璧主義に求めつつも、提案されているシンプルな開始方法(デイリーノート[[二重角括弧]]によるリンク)が、単なる情報のゴミ山を築く危険性も指摘しました。また、Gemini CLIを用いたAI執事による整理自動化、および音声ファースト思考術AI連携による思考の外部化・コンテンツ生成の効率化といった手法を紹介しつつ、AIの限界、プライバシーリスク、人間自身の思考力低下といった問題点を厳しく批判しました。大量のメモ蓄積による「セレンディピティ」や「思考パターンの発見」といった謳い文句についても、それがAIの統計処理による浅薄な分析に過ぎない可能性を指摘しました。結論として、これらのツールや手法は万能ではなく、安易な期待は挫折や思考停止を招く危険性があるとし、流行に踊らされず、自己の思考と向き合うことの重要性を皮肉を込めて示唆しました。様々な付随情報(登場人物、疑問点、歴史的位置づけ、日本への影響、今後の研究、感想、デュエマ、大喜利、ネットの反応、クイズ課題、その他諸々)は、巻末資料にまとめて掲載されています。

補足資料 その「知識」に価値はあるか?~ツールとデータの墓場~

補足1:プラグインという名の麻薬 ~無限のカスタマイズ地獄~

Obsidianの「魅力」の一つに、豊富なコミュニティプラグインがあります。これは、Obsidianの機能を無限に拡張できる、言わばデジタルドラッグです。グラフビューをカスタマイズしたり、特定の情報を自動収集したり、タスク管理機能を強化したり… あらゆる夢(そして無益な機能)が、プラグインによって実現可能になります。そして、多くのユーザーは、このプラグインの沼にハマり、ノートを書くことよりも、プラグインを探し、試し、設定することに膨大な時間を費やすことになります。「刀の振り方を学ぶ前に最高の砥石を探す」とはよく言ったものですが、Obsidianユーザーは最高の砥石どころか、様々な奇妙な形状の石を無限に集めてしまうのです。そして、気がつけば時間だけが過ぎ去り、肝心のノートは一向に増えません。これは、まさに「知的生産」という名の、自己満足的なデジタル遊びです。この無限のカスタマイズ地獄こそが、Obsidianユーザーを待ち受ける、もう一つの「挫折」の形なのです。

補足2:グラフビューという名の自己陶酔 ~繋がりを眺めて悦に浸る時間~

Obsidianの機能の中でも、特に多くのユーザーが心を奪われるのが、グラフビューです。これは、あなたが作成したノート(点)と、それらを結ぶリンク(線)を、視覚的に表示してくれる機能です。ノートが増え、リンクが複雑になるにつれて、画面には無数の点が線で結ばれた、まるで宇宙のような、あるいは脳内のニューロンのような、壮大なネットワークが現れます。これを見た多くのユーザーは、「おお!これが私の思考のネットワークか!私ってこんなに賢かったのか!」と、自己陶酔に浸ります。まるで、自分が偉大な思想家になったかのような錯覚に陥るのです。

しかし、このグラフビューは、多くの場合、単なる「見かけ倒し」に過ぎません。無計画に作られたリンクは、意味のある繋がりを示しているわけではありません。無数の点は、中身のない、あるいは文脈を失ったゴミノートです。それをいくら美しい(あるいは混沌とした)グラフとして表示したところで、そこから新たな知見が生まれることは稀です。グラフを眺めて「あ、ここが繋がってる!」と一瞬喜んでも、その繋がりが本当に何かを生み出すことは滅多にありません。多くのユーザーは、このグラフビューを眺めるだけで満足し、肝心のアウトプットに繋げることができません。グラフビューは、知的生産のツールではなく、自己満足のためのデジタルアートであり、時間を浪費するための仕掛けなのです。

補足3:○○式ノート術という名の宗教 ~新たなメソッドへの盲信~

Obsidianのような自由度の高いツールが登場すると、必ずと言っていいほど、様々な「○○式ノート術」「△△メソッド」といったものが生まれてきます。有名なのはZettelkastenですが、それ以外にもPARAメソッドなど、様々な「体系化された方法論」が提唱されます。そして、多くのユーザーは、「このメソッドに従えば、私も天才になれる!」「これで情報整理の悩みから解放される!」と、新たな宗教の教えに触れたかのように、それらのメソッドに盲信的に飛びつきます。彼らは、メソッドの提唱者の言葉を金科玉条のごとく守り、フォルダ構造やタグ付けルール、ファイル命名規則といった、どうでもいい細かい部分に血眼になって取り組みます。

しかし、人間の思考や情報の扱いは、そんなに単純な型にはまるものではありません。どんなに優れたメソッドも、万人に通用するわけではありませんし、あなたの特定の状況や思考スタイルに合わないこともあります。にもかかわらず、多くのユーザーはメソッドから外れることを恐れ、苦痛を感じながらも決められたルールに従おうとします。そして、結局は窮屈さを感じて、ツールを使うこと自体を諦めてしまいます。メソッドは、思考を助けるための指針であるはずが、いつの間にか思考を縛り付ける鎖と化すのです。そして、メソッドの提唱者たちは、新たな信者を獲得して満足顔です。○○式ノート術とは、知的生産という名の宗教であり、多くの信者が救済されることなく、ただ疲弊していく場所なのです。

補足4:Cursor vs Gemini ~プログラマーと凡人の、哀しい格差~

AIObsidian連携で活用する話の中で、CursorというAI搭載エディタとGemini CLIが比較されていました。Cursorは主にプログラマー向けで、コードの自動生成や修正が得意、月額課金が必要。Gemini CLIはより汎用的で、テキスト処理などが得意、個人利用なら実質無料。記事の筆者は、ObsidianユーザーにはGemini CLIの方が「万能執事」として最適、と結論づけています。なぜなら無料だから、と。

ここに、プログラマーとそれ以外の「凡人」との間の、哀しい格差が露呈しています。Cursorのように、特定の高度な専門分野に特化したAIツールは、それを使うことで実際に業務効率が劇的に向上し、月額料金を払う価値が生まれます。彼らにとってAIは、生産性を高めるための明確な「投資」なのです。しかし、テキスト処理や情報整理といった汎用的なタスクをAIに任せても、劇的に生産性が向上するかは怪しいものです。多くの「凡人」にとって、AIは明確な投資対効果が見えにくい「便利なオモチャ」に過ぎません。だから、彼らは無料で使えるAIに群がるのです。「タダなら試してみるか」という程度の意識で。プログラマーがAIを「専門技術顧問」として活用する傍らで、「凡人」はAIを「万能執事」と呼んで、どうでもいい雑務を丸投げする。この意識の差は、AI時代における生産性の格差として、今後さらに広がっていくのかもしれません。哀しいことです。

補足5:プライバシーという名の幻想 ~Google様は全てお見通しです~

AIObsidianと連携させて、思考の断片や個人的なメモを処理させる。素晴らしいアイデアですね! しかし、その思考、誰かに見られても大丈夫ですか? Gemini CLIを使うということは、あなたのメモの内容をGoogleに送るということです。音声ファースト思考術Whisperを使うことも、オープンAIに音声データを送ることを意味します。あなたの最も個人的で、最も秘密にしておきたい思考やアイデアは、彼らのサーバーを通過し、彼らの学習データとして利用されるかもしれません。

「プライバシーは保護されるはずだ」「利用規約に書いてある」… そんな言葉を信じているのですか? 彼らにとって、あなたのデータは、彼らのAIを賢くするための貴重な餌です。彼らがそれを易々と手放すでしょうか? そして、もし何らかの形でデータが流出したり、あるいは彼らが法執行機関などにデータを提供したりしたら? あなたの思考の履歴が、未来のあなたにどんな不利益をもたらすか、想像できますか?

Obsidianはデータをローカルに保存できる点が売りですが、AI連携のために外部サービスを使えば、その利点は失われます。「第二の脳」を外部に置くということは、あなたの思考そのものを人質に取られることと同じです。プライバシー? それは、安易にAIに思考を委ねる現代人にとって、もはや幻想に過ぎないのかもしれません。Google様は、あなたの全てをお見通しなのです。

補足6:費用対効果 ~失われた時間と、僅かなツール代~

Obsidian自体は基本無料です。Gemini CLIも個人利用なら実質無料。素晴らしい! お金をかけずに「知的生産性向上」が図れる! と彼らは喜びます。しかし、本当に費用はかかっていないのでしょうか?

最も大きなコストは、あなたの「時間」です。Obsidianの使い方を覚え、様々なプラグインを試し、GEMINI.mdを書き、Discord Botをセットアップし、AIの出力をチェックし、修正する… これらの作業に費やす時間を、もし時給換算したら、どれほどの金額になるでしょう? そして、その時間を使って、あなたは本当に価値のあるアウトプットを生み出せているのでしょうか?

多くのユーザーは、ツールを使いこなすこと自体が目的となり、肝心のアウトプットに繋げられません。彼らが費やした時間は、自己満足的なツール遊びという名の浪費です。そして、もし有料のObsidian SyncAqua Voiceといったサービスに課金していれば、そこにさらにお金もかかっています。「失われた時間」という、最も貴重なリソースを無視して、「無料だからお得」と喜んでいるとしたら、それはあまりにも滑稽です。ツールは目的ではなく手段であるはずが、いつの間にかツールをいじることそのものが、あなたの「生産的な活動」になってしまっていませんか? 費用対効果? それは、この手のツール遊びには存在しない概念なのかもしれません。

補足7:忘却のメリット ~忘れるべきだったのは、このツールの存在~

音声ファースト思考術の筆者は、「忘却のメリット」という言葉を使って、思考の外部化を正当化していました。脳のワーキングメモリを解放し、より創造的な思考に集中するためには、どんどん外部ツールにメモして忘れてしまえばいい、と。素晴らしい! これほど怠惰な人間に都合の良い理屈があるでしょうか。

しかし、本当に忘れてしまって良いのでしょうか? 人間は、忘れるからこそ、思い出すときに新たな繋がりを見つけたり、情報を再構成したりすることができます。また、苦労して覚えようとした情報ほど、脳に深く刻み込まれます。安易に外部にメモして「忘れていい」としてしまうと、脳は記憶する努力を怠り、思考は浅薄になる可能性があります。必要なときに、必要な情報を、自らの頭で素早く引き出し、組み合わせる能力こそが、真の知的生産には不可欠なのではないでしょうか。外部ツールは、その能力を補うものではなく、むしろ阻害する要因になるかもしれません。

そして、本当に「忘れるべきだった」のは、ObsidianAIを使った「PKM」などという、この無益な流行の存在そのものだったのかもしれません。忘れてしまえば、あなたは完璧なノートを作ることに悩むこともなく、AI執事の機嫌を伺う必要もなく、声に出して独り言を録音する必要もありません。無駄な時間と労力を費やすこともありません。そうです、「忘却のメリット」を最大限に享受するなら、この手のツールの存在を忘れること。それこそが、あなたの人生にとって最も生産的な選択なのかもしれません。

補足8:セレンディピティという名の偶然 ~ツールのおかげ?ただのラッキーだろ~

Obsidianや大量のメモから生まれるという「セレンディピティ(偶然の幸運な発見)」。異なる情報が予期せぬ場所で繋がり、新しいアイデアが生まれる… ロマンチックで聞こえは良いですね。「1000ノートの奇跡」などと神秘的に語られますが、これは本当にツールのおかげなのでしょうか?

Obsidianグラフビューで繋がりが見えたり、AIが関連情報を提示したりすることはあるでしょう。しかし、それを見て「おっ」と気づき、それを新しいアイデアに繋げるのは、あくまで人間側の能力です。ツールの機能は、偶然の情報を提示する機会を増やすかもしれませんが、それだけではセレンディピティは生まれません。それは、日頃から様々な分野に興味を持ち、深く思考し、知識を蓄えている、人間の側の「準備された心」があって初めて生まれるものです。ツールは、そのきっかけをのではなく、「たまたま目の前に提示する」だけです。

結局、「セレンディピティ」とは、ツールのおかげで生まれた奇跡ではなく、単なる「ラッキー」に過ぎないのかもしれません。あるいは、人間の脳が、大量の無意味な情報の海の中に、都合よく意味のあるパターンを見出そうとする働きに過ぎないのかもしれません。ツールがセレンディピティを生み出すと信じ、ただ漫然とメモを増やし続けるのは、宝くじを買って大金持ちになる夢を見続けるのと同じくらい、愚かな行為です。本当に新しいアイデアを生み出したいのなら、ツールをいじる時間を使って、もっと本を読み、もっと人に会い、もっと現実世界で経験を積むべきではないでしょうか。セレンディピティは、ツールからではなく、あなたの現実の活動から生まれるものなのです。

年表 ~流行り廃りの短い歴史~

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この手のデジタルツールやメソッドは、あっという間に現れては消えていきます。以下に、この「AIによる知的生産」を取り巻く、取るに足らない流行り廃りの短い歴史を記します。あくまで、観測された断片的な情報に基づく推測です。

年代(頃) 出来事
20世紀初頭 ニクラス・ルーマンが物理的な情報カードを用いたZettelkasten方式を開発・実践。デジタル化とは無縁の時代。
20世紀後半~2000年代 Evernoteなどが登場し、デジタルでの情報一元管理が流行。多くのユーザーが期待し、そして挫折する歴史が始まる。
2019年 Obsidianが登場。Markdown、ローカル保存、リンク重視といった特徴で、一部のマニアに注目され始める。
2020年代前半 ChatGPTやGeminiなどの生成AI、Whisperなどの音声認識AIが一般に普及。AIを様々な用途に使おうという動きが加速。
??? Obsidianユーザーがプラグイン開発に熱中し、機能が爆発的に増加。カスタマイズ沼にハマる人が続出。
2021年 小寺信良氏(推定)がEvernoteからNotionへ情報クリッピングツールを変更。(その後のObsidianへの移行は不明)
??? ObsidianとZettelkastenを結びつける動きが活発化。「第二の脳」といった言葉が飛び交い始める。
??? (記事執筆より数ヶ月前) ある筆者がObsidianのシンプルな活用法「デイリーノートと二重角括弧」に「到達」する。
2025年4月 小寺信良氏(推定)がAIコードエディタCursorを使った原稿執筆方法を紹介。AI活用の流れ。
2025年5月 ある筆者が「音声ファースト思考術」を本格開始。AIによる文字起こし・整理・発信自動化を試みる。
2025年6月 Google Gemini CLIが登場。AIをCLIで直接操作できるツールとして注目される。
2025年6月下旬 ある筆者がObsidianとGemini CLIの連携に着目。「AI執事」論を展開。
2025年7月上旬 本論考集の元となった記事群が公開される。音声ファースト思考術の筆者は330件の音声メモを蓄積。
未来 ObsidianやAIの新たな活用法が提案されるも、多くのユーザーは使いこなせず挫折。新たな「人生を変えるツール」が登場し、再び同じサイクルが繰り返される。

用語索引 ~どうでもいい専門用語集~

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本論考集で登場した、知ったかぶりをするための専門用語や、一部界隈でしか通じないであろう略称を、親切にも(皮肉です)解説し、本文中の使用箇所にリンクを貼りました。これであなたも、これらの言葉を使って「分かっている人」を演じることができます。

  • AI (Artificial Intelligence) , , , , , , , , , , , , , , , : 人工知能。コンピュータが人間のような知的な作業(学習、判断、思考など)を行う技術。最近は特に文章や画像を生成する「生成AI」が流行りですが、所詮は統計処理です。
  • Aqua Voice , , : 高精度を謳う音声文字起こしサービス。あなたの独り言を文字にしてくれる、便利な(そしてプライバシー的に怪しい)ツールです。イケハヤ氏も使っているらしいですよ。
  • ChatGPT : オープンAIが開発した有名なLLM(大規模言語モデル)の一つ。文章生成や会話ができます。多くの人が、これを使って「思考」した気になっています。
  • CLI (Command Line Interface) : コマンドラインインターフェース。キーボードで文字を入力してコンピュータを操作する方法。GUIより玄人っぽいですが、別にすごいわけではありません。
  • Cursor : AIを搭載したコードエディタ。プログラマー向け。これを使えばコードが書けるようになる(という幻想)。
  • デイリーノート (Daily Notes) , , : デジタルノートツール、特にObsidianの機能。その日の出来事や思いつきを書き留めるためのノート。多くの「PKM」実践者が、まずここにゴミを放り込み始めます。
  • Discord , : ゲームコミュニティなどでよく使われるチャットツール。ボットを組み込むことで、様々な自動化が可能です。音声メモの自動処理にも使われているようです。
  • Discord Bot , : Discord上で動く自動プログラム。これを使えば、あなたの代わりに様々な作業をしてくれる(そしてあなたのプライバシーを侵害する可能性もある)便利な奴隷です。
  • [[二重角括弧]] , , : デジタルノートツール、特にObsidianで、他のノートへのリンクを作成するための記号。これを多用すると、あなたのノートは蜘蛛の巣のようになります。
  • E-E-A-T (Experience, Expertise, Authoritativeness, Trust): Google検索の品質評価基準の一つ。「質の高い情報」とは、これらを満たしているものだそうですが、信じるかどうかはあなた次第です。本論考集は、これらを意図的に軽視しています。
  • Evernote , : かつて一世を風靡したデジタルノートツール。多くの人が「第二の脳」として使い始め、そして情報のゴミ溜めと化しました。
  • GEMINI.md , , , : Gemini CLIにあなたの指示を伝えるためのMarkdownファイル。AI執事へのマニュアルですが、人間の曖昧な願望を全て書き出すのは不可能です。
  • Gemini , , , : Googleが開発したAIモデル。賢いらしいですが、あなたのプライベートな思考をどこまで知っているかは分かりません。
  • Gemini CLI , , , , , , , : AIモデルGeminiCLIで操作するためのツール。AIを「執事」にするための道具です。
  • グラフビュー (Graph View) , : Obsidianの機能。ノート間のリンクを視覚的に表示します。多くの場合、複雑すぎて役に立ちません。眺めて自己陶酔するための機能です。
  • GUI (Graphical User Interface) : ボタンやメニューなどで視覚的にコンピュータを操作する方法。CLIより分かりやすいですが、定型作業の自動化には不向きです。
  • LLM (Large Language Model) , : 大規模言語モデル。ChatGPTGeminiのような、大量のテキストデータで学習したAIモデル。文章を生成したり、要約したり、分析したりできますが、やっていることは高度な統計処理です。
  • Markdown : テキストを構造化するための簡単な記法。Obsidianのノートはこれで書かれます。別に難しくありません。
  • MOC (Map of Content) : まとめノート。特定のテーマに関するノートを整理するためのノート。後から作る手入れ作業は、多くの人にとって苦痛です。
  • NDC (Nippon Decimal Classification) : 日本十進分類法。図書館などで本を分類するためのルール。この手の記事を無理やり分類するとしたら…という話です。
  • ニクラス・ルーマン (Niklas Luhmann) , , , s: Zettelkasten方式の提唱者。物理カードの変人。
  • 小寺信良 (Nobuyoshi Kotera) , : AV評論家、ライター。情報収集に熱心な方です。
  • Notion , : 多機能なデジタルワークスペースツール。Evernoteの次に多くの人が飛びつき、そして…
  • Obsidian , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , : 本論考集の主役の一つであるデジタルノートツール。Markdownベースでローカル保存、リンクとプラグインが特徴。多くの人が挫折します。
  • Obsidian Sync : Obsidianの公式有料同期サービス。これを使えば複数のデバイスでノートを同期できるらしいですが、無料の代替手段もあります。
  • PARAメソッド (Projects, Areas, Resources, Archives) : Tiago Forte氏が提唱する情報整理メソッド。プロジェクト、分野、資料、アーカイブの4つに情報を分類します。これも多くの人が試しては挫折するメソッドの一つです。
  • PDCAサイクル (Plan, Do, Check, Act) : ビジネスにおける継続的な改善活動のサイクル。ホリエモン氏が好きそうな言葉です。
  • PKM (Personal Knowledge Management) , , , , , : パーソナルナレッジマネジメント。個人が自分の知識や情報を収集、整理、活用する活動。最近はこれに「知的生産」という大げさな言葉をくっつけるのが流行りです。(詳細はPKM参照)
  • プラグイン (Plugin) , : Obsidianの機能を拡張する追加プログラム。これのおかげでObsidianは多機能になり、多くの人がカスタマイズ沼にハマります。
  • SORA : オープンAIが開発した動画生成AI。テキストから動画を作成できます。記事の筆者(音声ファーストの人)が漫画制作に活用したと述べています。
  • SNS (Social Networking Service) , , : X(旧Twitter)やFacebookなど、インターネット上で人と交流できるサービス。最近は、ここで自分のObsidian活用法やAIによる成果を自慢する人が増えています。
  • セレンディピティ (Serendipity) , , : 偶然の幸運な発見。デジタルノートやAIによって、これが生まれやすくなる(らしい)と信じられています。宝くじのようなものです。
  • Whisper , , : オープンAIが開発した高精度な音声認識モデル。あなたの音声メモをテキストに変換してくれます。
  • ワーキングメモリ (Working Memory) , : 短期記憶。脳が一時的に情報を保持し、処理する能力。これには限界があるので、外部ツールで補おうという理屈です。
  • Zettelkasten , , , , , : ツェッテルカステン。ドイツの社会学者ニクラス・ルーマンが考案した、物理的な情報カードを用いたメモ術。デジタルツールでの再現が試みられています。
  • 音声ファースト思考術 , , , , , : キーボードでなく音声でメモを取ることから始める思考・情報整理術。思考速度に追いつく(らしい)。
  • 「質の高い情報」 : Google検索などが評価基準とする、信頼性などが高い情報。E-E-A-Tのような基準で測られますが、何をもって「質が高い」とするかは、結局人間が決めることです。本論考集は、この基準を軽視しています。
  • 「与える」 : ツールやAIが、人間に対して何かを積極的に提供するというニュアンスの言葉。本論考集では、実際には単に「提示する」だけで、人間がそれをどう使うかは別問題だと批判しています。

脚注 ~どうでもいい出典リストと解説~

本文中で言及された、どうでもいい(しかし一部の読者は気にするかもしれない)情報の出典や、注釈を記します。脚注という名の、本文の邪魔をしないための隔離場所です。

  1. 「97%挫折する」という数字について言及されていた記事はおそらくこれの可能性が高いですが、記事中にもその数字の具体的な調査方法や出典は示されていません。筆者の体感、あるいは話を盛るためのレトリックである可能性が高いでしょう。真面目に受け取る価値はありません。

参考リンク・推薦図書 ~積読が増えるだけの情報源~

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この手の話題に深入りしたい、あるいは本当に知的生産性なるものを向上させたいと考える、懲りないあなたのために、関連する情報源をいくつか示します。ただし、これらを読んだところで、あなたの人生が劇的に変わったり、賢くなったりする保証はどこにもありません。多くの場合、積読が増え、知識が増えた気になって自己満足に浸るだけでしょう。それでも良いというなら、どうぞ。

推薦図書 (具体的な書名は各自検索してください)

  • 情報管理・メモ術に関する古典:梅棹忠夫氏の『知的生産の技術』や、Zettelkasten方式に関する解説書など。デジタルツールが登場する前の、人間の泥臭い知的生産の営みを知ることができます。
  • 現代のデジタルノートツールの活用書:Obsidian, Notion, Scrapboxなどの解説書や活用事例集。ツールを使いこなすための具体的なテクニックが学べます。ただし、ツールに振り回されないように注意が必要です。
  • AIと人間の思考・創造性に関する書籍:AIが人間の知性をどう変えるのか、AIとの協働の可能性と限界などについて論じられています。楽観的なものから悲観的なものまで様々ですが、多角的な視点を得るのに役立つかもしれません。
  • 認知科学・心理学の入門書:人間の記憶、学習、思考プロセス、ワーキングメモリなどについて、基本的な知識が得られます。ツールやAIに依存する前に、まず自分自身の脳の仕組みを知ることが重要ではないでしょうか。

政府資料・報道記事・学術論文 (具体的な資料名・記事名・論文名は各自検索してください)

  • 政府のAI戦略に関する資料:日本政府がAI技術の推進や社会実装についてどのように考えているのかを知ることができます。お堅い文章が多いですが、大きな流れを把握するのに役立ちます。
  • 個人情報保護委員会が発行するガイドライン:AIサービス利用時のプライバシーリスクなどについて、注意喚起やガイドラインが示されています。あなたのプライバシーを守るために、一読しておく価値はあるかもしれません(しかし、理解できるとは限りません)。
  • Obsidianや生成AIに関するIT系ニュースサイトの記事:最新の機能アップデートや活用事例、あるいは炎上騒動など、ホットな情報が得られます。玉石混交ですが、流行の最前線を知るには手っ取り早い方法です。
  • 情報科学、認知科学、教育工学などの学術論文:ObsidianのようなツールやAI活用に関する、より学術的な研究成果が発表されています。ただし、専門用語が多く、読んで面白いものではないでしょう。研究者や、特定の分野に深く関心がある方向けです。

これらの情報源は、あなたの知識欲を満たすかもしれませんが、同時に「知れば知るほど、この手の話が如何に浅薄であるか」を痛感させるかもしれません。それでも構わないという方だけ、どうぞ深入りしてください。

様々な感想 ~薄っぺらい言葉の羅列~

本論考集、あるいは元になった記事群に対する、様々な角度からの薄っぺらい感想を羅列します。知性の片鱗すら感じられないものから、少しだけ的を射ているように見えるものまで。結局、人は自分の都合の良いようにしか物事を見ない、という哀しい事実を再確認するだけでしょう。

ずんだもんの感想

うーん、Obsidian、なんか難しそうって思う人もいるみたいだけど、記事にはシンプルな始め方が書いてるのだ!デイリーノートに書くだけでいいって、えらい簡単なのですね。[[カギカッコ]]で囲むのも、やってみるのだ!
あと、AIがお手伝いしてくれるって、すごいのです! ずんだもんも、お喋りしたことをAIが勝手にまとめてくれたら楽なのですね! 毎日たくさんお喋りするから、あっという間に何万件も溜まりそうなのです!
でも、AIに全部知られちゃうのは、ちょっと怖い気もするのだ…。 ずんだもんの秘密のおやつ場所とか、バレないか心配なのですね。 プライバシー、大事!
でもでも、たくさんメモが繋がると、新しいアイデアが生まれるって聞いて、ワクワクするのです! ずんだもんも、もっと面白いこと考えられるようになるかな?
結論! まずはデイリーノートにずんだもんの今日の発見を書くのだ! そして気になる言葉には[[ずんだもん]]って書くのだ! これでずんだもんの思考も繋がるはずなのです!

ビジネス用語を多用するホリエモン風の感想

あー、なるほどね。ObsidianAIで知的生産のプロセスを最適化しようぜ、って話ね。これ、要は「脱・非効率」だよ。多くの奴は情報整理とかファイル名考えるとか、どうでもいいところにリソース割きすぎなんだよ。キングコング西野も言ってたけど、重要なのは「思考」とか「創造」っていう付加価値を生むコア業務だけ。それ以外のルーチンワークは全部AIに丸投げしろ、と。Gemini CLIとかいうのは、そのための実行部隊、エグゼキューターだろ。GEMINI.mdに指示書置いとけば、勝手に最適化してくれる? 最高じゃん。これぞ仕組み化。
音声ファースト? これも合理的。思考ってのは速度が速いから、キーボードで打ってたら追いつかない。音声で直接ぶっ込むのが一番ロスがないんだよ。それをAIで文字起こしして、Obsidianっていうデータベースに突っ込む。データが溜まれば、AIが勝手にインサイトを抽出してくれる。これ、まさにビッグデータ解析を個人レベルでやってるわけ。PDCAサイクルを高速で回せるようになる。コンテンツ生成も自動化できるなら、もう何本でも記事書けるじゃん。圧倒的なアウトプット量で他を圧倒できる。
「挫折率97%」? そんなん、ただの数字。ツールなんて使いこなせる奴だけ使いこなせばいい。使いこなせない奴は、現状維持バイアスに囚われてるだけ。新しいテクノロジーを取り入れて、自分の限界を突破できる奴だけが生き残るんだよ。AI時代に求められるのは、ツールに振り回されることじゃなくて、ツールを「道具」として使い倒して、いかに自分の価値を最大化するか、これに尽きるね。ま、やらない理由がないだろ。

西村ひろゆき風の感想

えー、Obsidianでみんな挫折しちゃう、みたいな話、あれって結局ツールを使いこなすのが目的になっちゃってるからじゃないですかね。完璧なノート作ろうとか、そういうのに拘ると、そりゃ続かないですよね。別に完璧じゃなくても、メモなんて後で見返せればいいだけだし。
で、AI使って自動化、とか言ってますけど、AIも完璧じゃないんで。ファイル名とか適当につけられたり、なんか変な関連付けされたりする可能性もあるじゃないですか。結局、最後にチェックするのは人間なんで、手間がゼロになるわけじゃないんですよね。
音声メモも、声で録るの恥ずかしくないですか? 外とかでブツブツ喋ってたら、変な目で見られるだけだと思うんですけど。まあ、家で一人でやるならいいかもしれませんけど。
あと、「1000ノートの奇跡」とか言ってますけど、別に1000個ノート溜まらなくても、いいアイデアって浮かぶ時あるじゃないですか。ツール入れたら急に賢くなるわけでもないですし。
結局、大事なのはツールじゃなくて、何を考えるか、何を生み出すか、そこなんじゃないですかね。ツールに時間かけるより、本読んだり、人と話したりする方が、よっぽど新しい考え方とか見つかると思うんですけど。まあ、知らんけど。

オリジナルデュエマカード ~データオタクの新たな遊び~

データ、知識、ツール… そういったものをこねくり回して遊ぶのが好きなあなたに捧げる、オリジナルのデュエル・マスターズ風カードです。これであなたのObsidian Vaultも、カードバトルフィールドと化すことでしょう。ただし、公式とは一切関係ありませんし、ゲームバランスなど考慮していません。ただのネタです。

カード名:知識創造神オプシディアン

文明:光/自然

コスト:7

種族:セカンドブレイン/オリジン

パワー:7000+

能力:

  • ブロッカー
  • W・ブレイカー
  • このクリーチャーがバトルゾーンに出た時、あなたのマナゾーンにあるカードの枚数以下のコストを持つ、あなたの墓地にあるカードを1枚、手札に戻す。
  • 自分のターンのはじめに、山札の上から1枚目を自分の墓地に置いてもよい。そうした場合、墓地にある自分のカード1枚につき、このクリーチャーのパワーは+1000される。(最大+10000)
  • セレンディピティ:自分の墓地にあるカードが1000枚以上なら、このクリーチャーは攻撃されない。

フレーバーテキスト:「我が沃野に種を蒔け。やがて知識の巨木とならん。…いや、ゴミ山かもな。」

カード名:AI執事ジェミニ

文明:水/ゼロ

コスト:3

種族:データサイバ/リキッドピープル

パワー:2000

能力:

  • このクリーチャーがバトルゾーンに出た時、相手のクリーチャーを1体選び、持ち主の手札に戻す。その後、あなたの墓地にあるカードを上から3枚、山札の一番下に置く。
  • 自分のターンの終わりに、自分の墓地にあるカードが10枚以上なら、カードを1枚引く。
  • プライバシーリスク:このクリーチャーがバトルゾーンを離れた時、自分の墓地にあるカードを全て公開する。

フレーバーテキスト:「お任せください、マスター。あなたの脳内を最適化… あ、この情報、学習データにっと。」

一人ノリツッコミ ~関西人以外には伝わらないであろう、自己完結型エンタメ~

(Obsidianについて熱く語る記事を読んで)

「へぇー、Obsidian使ったら思考が勝手につながるんか! すごいやん! ワイもこれで天才の仲間入りや! …て、ホンマかいな! そんなうまい話あるかい! ただのメモ帳に[[カギカッコ]]付けただけで頭ようなるわけないやろ! 何か知らんけど、結局自分で考えなあかんのちゃうんか! ツールが勝手に賢くしてくれるとか、どんだけ他力本願やねん! 期待しすぎや! はい、論破! ちゃうちゃう、論破してどうすんねん! 結局、ワイもツールに期待してる自分がおるやないかい! 哀しいなぁ! 😔

「しかもAIが執事になって、掃除洗濯… ちゃうわ、ファイル整理とか要約とかやってくれるんやて! めっちゃ便利やん! もう何も考えんでもええな! …て、アホか! それ、思考停止やないかい! AIに任せっきりやったら、自分の頭カスになるだけやろ! 執事ちゃう、ただの甘やかしロボットやんけ! しかもプライベートな情報、AIにダダ漏れとか怖すぎやろ! Google様にお前の脳内見られてるぞ! 知らんけど! いや、知らんのかい! 知らんと怖いこと言うなや! でも、ほんま、便利やけど怖い話やなぁ…。🤔

「挫折率97%? ほな、残り3%しか成功せんのけ! ほとんど失敗やん! そんなん、最初からやらん方がマシやないか! …て、なんでやねん! 3%もおるなら、それに賭ける価値あるかもしれへんやろ! ワイは特別や! 3%に入れる人間や! …とでも思わんとやってられんわ! そうやって自分を騙しながらやるのが、この手のツールなんやろな! 結局、ツールちゃう、己との戦いや! 知らんけど!」

大喜利 ~AI時代の思考停止ジョーク集~

さて、AI時代における知的生産のあり方なんて、真面目に考えても仕方ありません。ここは一つ、思考停止ジョークで笑い飛ばしましょう。

お題:ObsidianとAI執事が起こした「1000ノートの奇跡」って、具体的にどんな奇跡?

  • 寝てる間にAIが勝手にメモを整理して、翌朝起きたらブログ記事のドラフトが完成してた。……が、内容は「今日の猫のうんちの色」についてだった。😂
  • 過去の失恋に関するメモと、今日のランチで食べたラーメンのメモがAIによって関連付けられ、「人生の塩加減」というポエムが爆誕した。……ポエムの評価はAIに丸投げされた。🤷‍♂️
  • 書いた覚えのない未来の出来事に関するメモが、AIによって自動生成されてて予言者になった。……と思ったら、単なる天気予報のコピペだった。😅
  • AI執事が勝手に自分の思考パターンを分析して、苦手な上司との最適な会話スクリプトを生成してくれた。……スクリプト通りに話したら、上司に「今日の君、なんか変だよ?」と言われた。😨
  • 冷蔵庫にあるものに関するメモと、料理に関するメモが繋がり、見たことのない斬新なレシピが生まれた(ただし美味しいとは限らない)。……実際に作ったら、見た目はサイバー、味はまずい、という奇跡が起きた。🤮
  • すべてのメモが円形に配置されたグラフビューが、光り輝き始めて宇宙の真理を示し始めた。……真理の内容は「ランチは何にしよう?」だった。✨🤔
  • 「あの時欲しかったもの」のメモと「現在の価格」のメモが繋がり、AIが最適な購入タイミングを教えてくれた。……教えてくれたのは、10年前に既に底値だったという過去の事実だった。💸
  • AIが大量のメモを分析して、自分に最も合った「人生の目標」を提示してくれた。……目標は「AIに依存しない生活を送ること」だった。🤖🚫🚶‍♂️

予測されるネットの反応と反論 ~不毛な言い争いの記録~

この手の記事をネットに公開すれば、当然様々な反応が寄せられます。称賛、批判、嘲笑、無関心… 人間の多様な愚かさが垣間見えます。ここでは、予測される典型的な反応と、それに対するこれまた典型的な反論をシミュレーションしてみましょう。建設的な議論など、期待してはいけません。

1. なんJ民風反応と反論

  • 反応:また意識高い系のツール語りかw ただのメモ帳に大げさすぎやろ。AI?またステマか?金になるんかこれ?挫折率97%とか草 不便って言えや。ワイはWindows標準のメモ帳で十分や。
  • 反論:大げさに見えるかもしれんが、単なるメモ帳ちゃうで。思考が視覚化されて繋がるんや。野球でいうと、選手個々のデータだけじゃなく、打順の組み方とか相性まで見えてくる感じや。ステマちゃうわ。自分がええと思ったもん語っとるだけや。金になるかは使い方次第やろ。挫折率は誇張やとしても、実際使いこなせんやつが多いのは事実や。だからこそ、この記事みたいにハードル下げるやり方が意味あるんや。標準メモ帳もええけど、脳みそと同じでぐちゃぐちゃになったら探すん大変やろ。繋がりが見えるのがObsidianの強みや。…って、なんでこんな奴らに丁寧に説明してんねん。時間の無駄や。知らんがな。

2. ケンモメン風反応と反論

  • 反応:どうせ情弱から金巻き上げるツールだろ?GoogleのAIとか個人情報筒抜けじゃん。思考まで把握されて監視されるわ。97%挫折って、そもそも使う価値ないだろ。PC持ってないと使えないとか、時代遅れかよ。はてブで絶賛してる奴らは養分。
  • 反論Obsidian自体は基本無料だし、データもローカルやクラウドストレージに置ける。必ずしも情弱ビジネスではない。GoogleのAIはプライバシー懸念あるのは事実やが、そこは自分で判断するしかないやろ。気になるならローカルで動くAIとか使えばええ。97%はテキトーな数字やろうけど、挫折する奴が多いのは事実。だからシンプルな始め方を提案してる。PCメインやが、スマホアプリもあるし同期もできる。Web版がないのはローカルファーストだから仕方ないやろ。はてブのコメントなんて、鵜呑みにせず自分で判断すればええだけ。…なんか反論してる自分が虚しくなってきたわ。どうせ分かり合えへんのに。

3. ツイフェミ風反応と反論

  • 反応:結局これも男性中心のツールでしょ?女性が知的生産に使うことなんて想定されてない。「執事」とか男性目線キツい。生産性とか効率とか、競争社会を助長するだけ。男性特有のオタク気質向け。
  • 反論:ツールに性別とか関係ないやろ。誰でも使えるし、誰にとっても情報整理は必要や。知らんけど。執事は単なる比喩やし、男性目線とかいちいちうるさいねん。生産性向上は、好きなことに時間使うために必要やろ。競争だけが目的ちゃうわ。デジタルツールに詳しい人が、自分の経験を共有してるだけや。女性は使うな、なんて誰も言ってないやろ。…はぁ、疲れるわ。

4. 爆サイ民風反応と反論

  • 反応:意識高いフリして何やってんだこいつ。どうせ数ヶ月で飽きるだろ。パソコンカタカタしてるだけで仕事した気になってそう。俺らは体動かして稼いでんだよ。
  • 反論:別に誰に見せるわけでもなく、自分のためにやってるだけや。他人に迷惑かけてるわけちゃうやろ。飽きるか続かは人それぞれや。興味ないなら見なきゃええだけ。思考を整理したり新しいアイデア生み出すのも、立派な仕事やで。体力使う仕事だけが全てちゃう。…はいはい、分かりましたよ、おっさん。

5. Reddit風反応と反論 (r/ObsidianMD, r/PKMSysなど)

  • 反応:Welcome to the vault! Daily Notes and linking are indeed the core. Good starting point for beginners. 97% is definitely an exaggeration, but the struggle is real. Simple method is key. Interesting idea with Gemini CLI for automation. What kind of prompts do you use for organizing? Worried about sending personal notes to Google? I prefer local LLMs or self-hosted solutions. How does this compare to using Shortcuts/Automate for mobile voice notes and text processing?
  • 反論:Thanks for the welcome! Trying to make it accessible for newcomers. Yeah, the number is clickbaity but the sentiment is valid. Focus on simplicity first. I'm planning to experiment more with specific prompts for different tasks like summarizing meeting notes or drafting emails based on scattered ideas. Still exploring the possibilities. Valid concern about privacy. For highly sensitive data, local LLMs or manually reviewing/anonymizing data before sending to cloud AI is crucial. It depends on the use case. Mobile automation tools are great too! The Discord Bot method is just one way to achieve that on mobile, leveraging existing infrastructure. It's about finding what works best for your workflow. Keep the discussion productive, fellas. Unlike other platforms.

6. Hacker News風反応と反論

  • 反応:Another PKM system article. Seems like a combination of Zettelkasten principles with modern AI/CLI tooling. Nothing fundamentally new, but a practical integration. The privacy implications of feeding personal knowledge bases into cloud-based LLMs are significant. This needs more emphasis. CLI approach is neat, but requires initial setup friction. Most users would prefer a GUI plugin. Comparison with Cursor is reasonable, highlighting the target audience differences. How scalable is this voice note system? Dealing with thousands of notes and transcriptions could become cumbersome or expensive.
  • 反論:While the core principles might not be new, the practical integration of AI and CLI for workflow automation *is* the novel aspect being explored here. It's about the *how*, not just the *what*. Absolutely agree on privacy. The aspect is critical and warrants detailed discussion and exploration of local/private AI solutions. A GUI plugin would lower the bar, true. But the CLI offers powerful scripting and integration possibilities that GUIs often abstract away or don't support as flexibly. It's a trade-off for power users. Scalability is a good point. The cost of transcription and processing thousands of notes could add up. Efficient data storage, indexing, and potentially fine-tuning smaller, cheaper local models could be future directions. Good points raised. At least some intelligent life exists online.

7. 目黒孝二風書評と反論

  • 書評:またしても「○○で人生が変わる」系の、薄っぺらい啓蒙書まがいの記事が出たか。ObsidianだのAIだのと、最新ツールに飛びついては数ヶ月で放り出す連中が目に浮かぶようだ。思考が勝手につながる?笑わせるな。思考とは、自らの脳味噌で汗をかき、呻吟し、悪戦苦闘して初めて生まれるものだ。ツールごときに安易な助けを求める時点で、本質を見失っている。第一、その「97%挫折」なる数字の根拠はどこにある?己の肌感か?ジャーナリズムのかけらもない。AIを執事?結構結構。人間は思考を放棄し、AIの奴隷となる未来が見えるようだ。音声でメモ?まるで赤ん坊ではないか。言葉にならない呻きをそのまま吐き出して、それをAIに翻訳させる?そこに思索はあるのか。結局、これもまたツールを使いこなすこと自体が目的と化し、真の知的生産には至らない類の試みに過ぎないのだろう。
  • 反論:貴兄の硬派な姿勢、拝察いたします。しかし、ツールはあくまで人間の思考を支援するものであり、代行するものではありません。農具が耕作を楽にするように、これらのツールは情報と思考の間の摩擦を減らし、本来人間が注力すべき創造的な部分にエネルギーを集中させるためのものです。「思考が勝手につながる」は比喩であり、ツールが示唆を与えることで、人間の脳内で新たな関連付けが促進されることを意味します。また、音声入力は思考の速度に追いつくための手段であり、その後の整理や深掘りは人間が行います。数字の根拠についてはご批判の通り、不明確である点は認めざるを得ませんが、多くのユーザーが初期段階で難しさを感じているのは事実です。ツールはあくまで手段。それを使いこなし、思考を深めるか否かは、使う人間に委ねられているのです。……などと、真面目に反論しても、結局聞く耳を持たないのだろう。不毛だ。

高校生クイズ・大学生課題 ~権威の押し付けと、無駄な思考訓練~

さて、教育という名の名のつく権威は、往々にして新しい技術や流行を「課題」として押し付けたがります。このObsidianAIに関する論考集も、きっとどこかの学校で以下のような課題として出されることでしょう。学生諸君、ご愁傷様です。

高校生向けの4択クイズ

問題1:
Obsidianを始めるにあたって、この記事で最もシンプルで最初にやるべきこととして推奨されているのは何でしょう?
A. フォルダ構成を完璧に設計する
B. 複雑なプラグインをたくさん導入する
C. まず「デイリーノート」に書き始める
D. 全ての情報をタグ付けする

答え: C
解説: 記事では、最初から完璧を目指さず、まずデイリーノートに気軽に書き始めることから「思考の庭」作りが始まると述べています。

問題2:
Obsidianで思考の断片をリンクさせるために使う魔法の記号は何でしょう?
A. ((二重丸括弧))
B. [[二重角括弧]]
C. {{二重波括弧}}
D. **二重アスタリスク**

答え: B
解説: 気になる言葉を「[[二重角括弧]]」で囲むことで、それがリンクになり、他のノートと繋がります。

問題3:
大量のノートが蓄積された際に、Obsidianが自動で思考の点と点をつなぎ、思いがけないアイデアの発見を後押ししてくれる機能は何でしょう?
A. スペルチェック機能
B. ファイル名の自動変更機能
C. バックリンク機能
D. 文字色の変更機能

答え: C
解説: 「バックリンク」機能を使うと、あるノートに言及している他の全てのノートが自動的にリストアップされ、思考の関連性が見えてきます。

問題4:
記事で紹介されている「音声ファースト思考術」において、なぜ音声入力が推奨されているのでしょう?
A. キーボード入力より速く、思考速度に近いから
B. 声に出すことで情報が脳に定着しやすいから
C. 音声データの方がテキストより容量が小さいから
D. 音声入力の方が誤字脱字が少ないから

答え: A
解説: 記事では、音声入力が思考の速度に近いスピードで記録できるため、アイデアを逃さずにメモできることをメリットとして挙げています。


大学生向けのレポート課題

以下のテーマから一つを選び、本論考集の内容を批判的に考察しつつ、あなたの考えを述べなさい。参考文献を適切に引用し、根拠に基づいた議論を展開すること。字数は〇〇字程度(〇〇字以内)。

  1. 本論考集で指摘されている、ObsidianやAIを用いた情報整理術の「挫折要因」「限界」「リスク」について、あなたの経験や他の情報源も踏まえ、具体的に論じなさい。
  2. AI連携による「第二の脳」構築は、本当に人間の思考力や創造性を高めるのか、それとも衰退させるのか。本論考集のニヒルな視点を踏まえつつ、あなた自身の哲学的・認知科学的な考察を加えなさい。
  3. 音声ファースト思考術は、現代の情報過多時代における有効な手段となり得るか。音声という入力形式が、思考の質や情報伝達に与える影響について、多角的に分析しなさい。
  4. Zettelkasten方式やPARAメソッドといった既存のノート術・情報管理メソッドと、ObsidianやAIを用いた新しい手法は、どのように異なり、また共通するのか。それぞれの長所・短所を比較検討し、あなたにとって最適な情報管理のあり方について提案しなさい。
  5. 本論考集が提示するようなニヒルでシニカルな視点は、技術や流行を批判的に捉える上で有効か。あるいは単なる冷笑主義に過ぎないか。批判的な視点の意義と限界について、具体的な例を挙げつつ論じなさい。

……頑張ってください。このレポート作成を通じて、あなたが本当に得られるものが何かは、私には分かりません。もしかしたら、単位だけかもしれませんね。

その他諸々 ~記事の残骸と、書き手の迷走~

本論考集を締めくくるにあたり、本文に含めるほどでもない、あるいは単に思いついた雑多な情報をここにまとめておきます。あなたの時間の無駄を加速させるための、ささやかなサービスです。

潜在的読者のために(という建前)

この記事につけるべきキャッチーなタイトル案(いくつか):
1. 「もう挫折しない!」なんて嘘?Obsidian×AIで思考が勝手につながる茶番劇
2. あなたの思考はAIの餌?ObsidianとAI執事が変える知的生産の幻想
3. 「書く」が変わる?いいえ、「考えなくなる」のです。AI時代の超・思考停止術
4. 音声メモが「第二の脳」?いいえ、ただの独り言録音機です。AIが思考を整理・分析・垂れ流す新習慣
5. 完璧主義よ、さらば。シンプルに始めてゴミを増やすObsidian活用法
6. AIはあなたの「執事」になれるか?いいえ、手のかかる奴隷です。Obsidian連携で実現する思考の自動化
7. 知の臨界点「1000ノートの奇跡」?いいえ、単なるデータの山です。デジタルガーデニング入門
8. 【実践】330件の音声メモが証明した、AI時代の最速ゴミ生成術

SNSなどで共有するときに付加するべきハッシュタグ案:
#Obsidian #AI #メモ術 #情報整理 #知的生産 #音声入力 #GeminiCLI #Zettelkasten #思考停止 #生産性詐欺 #ライフハックもどき #デジタルゴミ #PKMの闇 #AIの奴隷 #無駄な努力

SNS共有用に120字以内に収まるようなタイトルとハッシュタグの文章:
Obsidian×AIで人生変わる?甘い幻想を暴く。挫折、思考停止、プライバシーリスク… 知的生産の闇を覗く。#Obsidian #AI #メモ術 #思考停止 #PKMの闇

ブックマーク用にタグを[]で区切って一行で出力(NDCを参考に):
[情報科学][心理学][経営学][デジタルノート][AI活用][情報整理] ※NDC分類は複合的な内容のため、最も関連性の高いものを複数選択しました。

この記事に対してピッタリの絵文字:
🧠💸🗑️🔗🤖🗣️📉🤷‍♂️🤡

(脳、お金/浪費、ゴミ箱、リンク/鎖、ロボット/AI、話す/独り言、減少/退化、呆れる/🤷‍♂️、ピエロ/滑稽さ)

この記事にふさわしいカスタムパーマリンク案(使用してよいのはアルファベットとハイフンのみ):
obsidian-ai-scam
digital-note-foolishness
ai-butler-slave
voice-first-garbage
pkm-illusion

テキストベースでの簡易な図示イメージ(概念図のつもり)

あなたが理想とする「知的生産」のフローはこうかもしれません。

アイデア/情報 → [Obsidian] → 思考の整理 → 新しいアイデア → アウトプット(記事、企画など)
↑ ↓
AI リンク/タグ

しかし、現実の多くのユーザーのフローはこうなりがちです。

思いつき/情報の断片 → [音声入力/Obsidian] → 無数のゴミノート → [[意味不明なリンク]]
↑ ↓
AI [プラグイン地獄]
↓ ↑
AIによる浅薄な分析/自動投稿(中身なし)
↓
(挫折)

あるいは、さらに簡略化するとこうです。

あなた → ツールをいじる時間 → 失われた時間 → 自己満足

この図は、あなたの努力がいかに無益な方向に向かいやすいかを示唆しています。


……以上で、本論考集は終わりです。長々とお付き合いいただき、ありがとうございました。この記事を読んだあなたが、少しでも現状の「知的生産」を巡る喧騒を冷めた目で見られるようになれば幸いです。あるいは、より深くツール沼にハマるきっかけとなったなら、それもまた一興です。

結局、ツールもAIも、それを使う人間次第です。しかし、その人間が、自己の欲望や流行に簡単に流される、哀れな存在であることを忘れてはなりません。

さあ、どうぞお帰りください。そして、この無益な時間を、あなたの人生の貴重なリソースとして記録しておいてください。ただし、どのツールで記録するかは、あなたの自由です。

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