卒論 ビットコインを擁護し、未来の貨幣を想像する 6 第二部のはじめに 未来に望まれる貨幣の形

第二部のはじめに 未来に望まれる貨幣の形

貨幣史を俯瞰すると様々な貨幣が生まれては消えている。暗号通貨も多くが生まれ、そして消えるだろう。それで良い、と考える事もできる。貨幣は常に過渡的な事業であり、その場その場で通用する暫定的なもので良いとする考えだ。確かにこれまでの貨幣はそのような現象であった。しかし過去そうであったからといって即ちそれが真理である。ということにはならない。

 ここでは、未来に望まれる未来の貨幣の形について想像する。なぜそのようなことを想像するのかというと、もちろん現在の貨幣制度(暗号通貨含む)に不満があるからである。それは貨幣における市場の失敗、恐慌とハイパーインフレーション、を現在の貨幣経済、それには暗号通貨も含まれる、のなかで避けられない問題が、貨幣経済自身に内包されていると私は考えているからである。そこで市場の失敗を起こさない完全な貨幣、つまり貨幣の信任を失うことなく、かつそれは過渡的な現象ではない貨幣として、最終的な貨幣の形、つまり効率的市場を成り立たせる貨幣を想像する。

 それのためにまず第1に貨幣が市場の失敗を引き起こす原因を内包しているものであることを解説する。
 第2に古典派経済学者の想像した、神の見えざる手によって、市場が均衡するとはどのような状態か考える。これは現在、経済学のなかで主流派とみなされている新古典派はとは大きく違う点があるのだ。今効率的市場仮説は否定されているといっていいだろう、しかし経済学の理想として効率的市場仮説は捨ててはならないと私は考える。それは市場の失敗を起こさないシステムであり、目指すべき目標だ。私は古典派の理想を復古することで効率的市場仮説への可能性を見出す事ができた。
 第3に、第1第2で述べた議論を踏まえて新たな貨幣に望まれる貨幣の要件を明かす。

 最後に、第3で明かした要件に合致したそれが、どのような言葉、概念で表せるか想像する。私は未だ現れないこの未来の貨幣を「貨幣形態X」と呼ぶ。

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